神は細部に宿る

大きな工場の屋根は

当然ながら雨樋も長いんです。

 

それに建物形状によっては

どうしても屋根の軒先と

軒先が取り合わさる

「谷」なる箇所がデキちゃいます。

 

この屋根はスパン毎に

谷樋のエキスパンション

(伸縮継手)を設けている

お手本のような仕事をしています。

 

屋根の排水溝である谷樋は

水密性の関係で

ジョイントを設けたくない

モノなんですよね。

 

ジョイント部分が

多くなればなるほど

そこからの漏水リスクが

高まりますから。

 

ですのでジョイントレスで

一本モノって「谷樋」にしてしまいがち。

 

また、製作と運搬、施工の都合で

4m定尺部品として設置する場合

ジョイント部分は防水処理をして

リベット等でガッチリ接合します。

 

そうなると問題なのが、、、

温度差による熱伸縮です。

 

夏場は熱膨張で伸び

冬場は逆に縮みます。

 

この現象は金属製だろうが

一途も簡単に谷樋はブチ切れて

雨漏りが始まるんですよ。

 

こうした破損トラブルを防止するために

エキスパンションジョイントを設けて

伸縮を吸収するんです。

(堰みたいなモノ)

このジョイントは無い方が

施工的にはシンプルで簡単なんですが

物性上どうしても必要な構造なんです。

 

このちょっとした小技、

わざわざジョイントを設けていますから

技術的にも施工的にも非常に難しい。

 

図面等しっかりとした指示書があっても

その製作と施工には絶対に

職人の技術と経験が必要なんです。

 

一般的にはよく分からん部位ですが

この屋根の部位にこそ

神が宿る技術があるんです。

 

それではまた。

 

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高知の【株式会社オガサ製工】
小笠原孝彦(おがさわらたかひこ)でした。

投稿者:

小笠原孝彦

小笠原孝彦(おがさわら・たかひこ)1970年高知県高知市朝倉生まれ 株式会社オガサ製工 代表取締役/一級建築施工管理技士/建築板金一級技能士/防災士/被災建築物応急危険度判定士 高知県を拠点に、ガルバリウム鋼板による遮熱・減災屋根のリーディングカンパニー「オガサ製工」を経営。法人向けには工場・倉庫・事業用施設の暑さ対策や屋根リニューアル、遮熱リフォームの分野で高い専門性を持ち、四国一円で施工実績を重ねています。 このブログでは、現場目線×経営者目線で、屋根の「プロが本音で語る情報」を毎週発信中。 「工場が暑すぎる…」「老朽化した屋根を直したい…」「でも業務は止めたくない」そんな法人様の悩みに寄り添いながら、これまでの建築技術とノウハウ、そして屋根から生まれる“価値ある改善”をお届けしています。