地域の気候を考慮した、屋根と樋の施工。

昨日は震えながら祖谷方面から

嶺北地域をツーリングで走っていました。

 

四国と言えどこの地域では

冬場は雪は降るし

朝晩は氷点下も珍しくありません。

 

そこでは地域の気候に合わせた施工が

とても重要になってきます。

 

さて、屋根や雨樋などオガサが行う工事で

長さが10mを超えてくると

熱伸縮処理が非常に大事になんですね。

 

また、その伸縮度合いは

材質によっても異なります。

 

これを表す指標として

熱膨張率があるんですよ。

 

例として

鉄の場合、12×10-⁶ですので結果・・・

 

長さ1mのガルバ製の屋根は

1℃の変化で

0.012㍉伸縮するコトになります。

 

ということは、、、

長さ10mのガルバ製の屋根は

夏冬の昼夜温度差が70℃近くになるので

約8㍉の伸縮が起こるのです。

 

計算上は。。。

 

大きな屋根や

長い軒樋、竪樋では

この伸縮を考慮して施工しないと

屋根材の変形や

止めているビスの破断など不具合が起き

結果、台風などの強風時に

屋根が破壊されます 。 

 

真夏に鉄道のレールが歪むイメージです。

 

屋根の熱伸縮は

一定方向だけではありませんので

計算式のように

伸縮することは考えにくいですが

それでも全く考慮していない屋根では

この不具合現象が必ず発生しています。

 

伸縮を吸収する専用部材を使ったり

固定金具を少しルーズに動くモノへ

チョイスしたりなどして

長く連続してしる屋根や樋は

要所でフリーにするなど

適材適所のパーツを取り付けていきます。

 

南国高知でも

これから本格的な冬を迎えますので

この伸縮に関しては

施工前にしっかりと設計計画が必要なんです。

 

本川や梼原をはじめとする

山間部では特に注意ですね。

 

それと屋根の雪止め金具。

これも市内に住んでいると

馴染みはありませんが、

屋根から落雪がある山間部では絶対必要です。

 

季節感を持ち、地域特質を感じられるコトも

屋根職人には大事なセンスなんですね。

 

 

では、また明日!

 

ガルバリウム鋼板屋根への葺き替えで

地震に強く、遮熱工法で暑さ対策も行う

屋根リフォームと雨漏り修理専門の

【株式会社オガサ製工】小笠原孝彦

(おがさわらたかひこ)でした。

投稿者:

小笠原孝彦

小笠原孝彦(おがさわら・たかひこ)1970年高知県高知市朝倉生まれ 株式会社オガサ製工 代表取締役/一級建築施工管理技士/建築板金一級技能士/防災士/被災建築物応急危険度判定士 高知県を拠点に、ガルバリウム鋼板による遮熱・減災屋根のリーディングカンパニー「オガサ製工」を経営。法人向けには工場・倉庫・事業用施設の暑さ対策や屋根リニューアル、遮熱リフォームの分野で高い専門性を持ち、四国一円で施工実績を重ねています。 このブログでは、現場目線×経営者目線で、屋根の「プロが本音で語る情報」を毎週発信中。 「工場が暑すぎる…」「老朽化した屋根を直したい…」「でも業務は止めたくない」そんな法人様の悩みに寄り添いながら、これまでの建築技術とノウハウ、そして屋根から生まれる“価値ある改善”をお届けしています。